楽しんでくれる子どもたちを目にするたび、
こっそり心の中でガッツポーズ。

私は、母校(札幌市立高等専門学校)のキャンパスが札幌芸術の森に接しており、実習カリキュラムでも関わっていたこともあって、恩師の勧めで自然に当時の財団法人札幌芸術の森(現・札幌市芸術文化財団 芸術の森事業部)の職員採用試験に応募しました。
学生時代は、専攻の工芸デザインコースで金工・陶芸・木工など様々な作品制作活動に励む傍ら、部活動として「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」に7年間の熱い夏を捧げました。工業系に疎い、全国で唯一のデザイン系高専からの参加という技術的ハンディキャップを抱えながら、みんなで試行錯誤し一丸となってものづくりに打ち込み、全国大会に行けたことは良い思い出です。また学校祭では小作品の販売を行うことで、卒業制作の材料費を稼ぎつつ、人に喜ばれるものづくりを考えるきっかけとなりました。
現在は札幌市民ギャラリーで、主に庶務・経理全般、それに主催事業の総括を担当しています。またこれらに限らず、少人数の事務所ならではの事情で、貸館受付や展示の打ち合わせ、備品管理など、一通り様々な業務に携わっています。
貸ギャラリーとしての利用がメインのため、主催事業は空室を利用して隙間を縫うように企画しています。予算規模も大きくはありませんが、市内でも子どもの数が増加している稀有な土地柄、子ども対象事業に力を入れています。何かギャラリーでできそうなことはないかな…と普段からアンテナを張っておき「これは!?」と自分が導入したコンテンツに対して、歓声を上げて楽しんでくれる子どもたちを目にするたび、心の中でこっそりガッツポーズをとっています。

現場作業の様子

心豊かな生活を送るために、芸術や文化は大切な栄養。

市民ギャラリーは小規模な事務所のため、普段から連絡を密にして、誰かが急に休みになったとしても互いに業務をフォローできるような体制をとっています。規模が大きな他の施設に比べ、アットホームな雰囲気の中で仕事ができるのが良いところかなと思います。
プライベートでは、愛娘がまだ幼いため家族の時間を大切にしています。以前は趣味の工芸作品制作でストレスを発散していましたが、近頃は料理に興味を持ってきた娘と一緒にお菓子を作ったり、工作をしたりしていることが多いです。職場には、普段から残業が少なくて済むよう配慮いただいているほか、子どもが急に熱を出すなどしてもお休みが取れるよう周囲の方々のフォローがあり、子育てしやすい環境を整えてくださっているのは大変ありがたく感謝しています。その分、就業時間中はぎゅっと集中して担当業務を頑張っています。
自分にとって、制作活動はごく自然な趣味でありライフワークです。生きる上で文化や芸術は必ずしも要るものではないと言われますが、心豊かな生活を送るにあたっては、とても大切な栄養だと思っています。綺麗なものを観て、聴いて、感じ、美しいものに触れることで心動かされ、創作意欲も刺激されます。作家を名乗らなくても、これからもひとりのものつくりとして、愛娘と一緒に楽しんでいければと思っています。
残業の多少や休みの取りやすさは配属された部署に依るものの、どこへ配属になっても福利厚生は充実していて、結婚や出産を考えている女性もハンディキャップになりにくく働きやすい環境だと思います。もちろん男性も育児休業を取得できますし、介護休業制度などもあります。心を豊かにする芸術文化を発信する側に携わりつつ、安心して働ける職場として十分おすすめします。

職場での様子